福山

RIENS流ハイトーンブリーチセセミナー

2026/5/18(月)

美容室における新卒スタッフの早期育成と、ブリーチ技術の属人化解消を目的とした「新ブリーチ思考」という革新的なアプローチを提案するものである。この技術は「仮塗り」と「本塗り」の二段階アプローチ、または「エフェクトブリーチ」という専用製品群を用いることで、アルカリの急変やラジカル反応を制御し、髪の体力を維持しながらダメージを最小限に抑える。これにより、アシスタントでも安全かつスピーディに、ムラや白帯、断毛のリスクを減らしてハイトーンカラーを実現できる。

この理論的背景、フィオーレ社のカラー剤「BLカラー」「クオルシア」などの特徴、具体的な薬剤選定と塗布方法、カラーシャンプーの活用、デザインカラーの考え方、さらには写真撮影のコツやサロン経営におけるブランディング戦略まで、実践的なデモンストレーションを交えて網羅的に解説された。

知識点
1. 新ブリーチ思考(マジックブリーチ)の理論と実践
   従来のブリーチの課題: 高アルカリによる急激な発熱と膨潤、それに伴う「ラジカル」の暴走が、白帯、切れ毛、塗りムラといったダメージの主な原因となっていた。また、施術に繊細な技術が求められ、時間がかかる点も課題であった。
   新ブリーチ思考のコンセプト: パワーの強いブリーチ剤を、2剤(オキシ)の「緩衝力」(pHの急変を抑制する能力)でコントロールする考え方。アルカリの急変を防ぎ、ラジカル反応を安定させることで、必要な脱色のみを行い、ダメージを最小限に抑える。これにより、アシスタントでも習得しやすく、施術時間も短縮できる。
   二段階アプローチ(仮塗り・本塗り):
       仮塗り: 低濃度のオキシ(4.5%〜5%)を混ぜた薬剤で、新生部をざっくりとスピーディに塗布(縦→横→斜め)。多少のオーバーラップは問題なく、塗り残しがないように膜を張るイメージで塗る。この層がディバイディングラインを保護する。
       本塗り: 仮塗りの上から、リフト力の強い薬剤を重ねて塗布。仮塗りが保護するため、大胆に塗布しても断毛しにくい。この手法により、ペーパーの使用も基本的に不要になる。
   効果と利点:
       ダメージ軽減: 髪の体力を残し、白帯や切れ毛を防ぐ。
       均一な仕上がり: 履歴不明の髪やロングリタッチでもムラなく綺麗に仕上がる。
       効率化(時短): 複雑な塗り分けが不要になり、一人でも20分程度で全頭塗布が可能。施術者の手が空き、他の顧客との掛け持ちも可能になる。
   ウェット塗布の推奨: 基本的に全てのブリーチ施術をウェットで行うことが推奨される。ドライ状態よりも効果的で、慣れると作業しやすくなる。

2. エフェクトブリーチと専用製品
   エフェクトブリーチとは: ブリーチ専用に作られた製品群(シャンプー、オキシ等)を用いる手法。「酸度を積む」「アルカリを暴走させない」「ラジカル反応を制御する」という3つの特徴で髪を壊さずに脱色する。
   主な製品ラインナップ:
       シャンプー: 非常に酸度が高く、施術前に髪の金属イオンを除去(キレート処理)し、体力をつける。
       ゼロオキシ: 0.5%の過酸化水素水。低アルカリのカラー剤と混ぜてトナーとして使用すると、ブリーチ部分にのみ作用し地毛が明るくなるのを防ぐ。
       バタフライプレイ: 増粘剤。抗炎症作用があり、頭皮への刺激を軽減する。
       アシッドブースター: 主成分はクエン酸。ブリーチの反応を停止させず緩やかにする効果があり、施術中の予期せぬダメージ進行を抑制できる。
   施術プロセス: 前処理(シャンプーでキレート処理)→ブリーチ塗布→中間処理→オンカラーという流れが基本。

3. フィオーレ(FIOLE)社カラー剤とその他の薬剤
   フィオーレ ファッションカラーの特徴:
       単色処方: 補色が配合されておらず、色味の細かい調節が自由にできる。
       BLカラー: ローアルカリ処方で高保湿。艶のある仕上がりでアルカリ臭も少ない。
       クオルシア: BLカラーよりアルカリが強く、高い透明感と発色を実現。
       ラディーチェ: 白髪染め用。水分を弾きやすい白髪にも定着しやすく、おしゃれ染めにも対応。10分放置のクイックタイプもある。
       2026年4月新色: 補色配合でワンブリーチ(17レベル)から綺麗な色が出せる「ホワイト系」3色と、くすみの少ない「ど真ん中ブラウン」が登場予定。
   薬剤配合の考え方:
       8トーンの色を作る際、9トーンと7トーンではなく、9トーンと5トーンを混合する。5トーンの高い染料濃度を利用することで、より綺麗に発色するため。
       アシスタントが作業する際は、失敗リスクを減らすため薬剤の配合を標準化する(例:トナーは「3%、2倍の総量10%」で固定)。

4. オンカラーとアフターケア
   オンカラーの注意点:
       顔周りや襟足、耳後ろなど染まりにくい部分は意識して薬剤を塗布する。
       寒色系は熱で飛びやすいため、少し濃いめに入れる。
       ハイトーンを維持する場合、色素が残留しやすいブラウン系の濃いアルカリカラーは避けるべき。
   カラーシャンプーの活用:
       「クオルシアカラーシャンプー」は染料が濃く、アルカリカラーの代わりに使用することでダメージを大幅に削減できる。特に18.5レベル以上のブリーチ毛には、カラーシャンプーや塩基性カラーでの仕上げが推奨される。
   中間処理(プロセストリートメント):
       ブリーチ後はシャンプーで過剰洗浄せず、還元剤を含む「プロセストリートメント」で過硫酸塩を除去・中和する。頭皮から毛先まで全体に塗布し、ムラにならないよう念入りに流すことが重要。
   顧客へのアフターケア指導:
       施術後1週間はシャンプーでゴシゴシこすらず、優しく流すようにアドバイスする。
       自宅でのケアの重要性を説明し、リピートにつなげる。

5. デザイン、スタイリング、写真撮影
   デザインカラーの提案:
       顧客に複数のスタイルを見せて「嫌なもの」を特定させ、服装などに合わせてデザインを決定する。
       後々のスタイルチェンジを考慮し、ベージュやブラウン系をベースに提案するなど「継続可能なデザイン」を心がける。
   スタイリング技術:
       波巻き: ストレートアイロンを使用。トップの毛を根元から巻くと傷んで見えるため、中間から通し、毛先を外ハネにする。
       ボリューム出し: 写真撮影時はトップの分け目にしっかり熱をあて、ふんわりさせることが重要。
       スタイリング剤: 「ミセル」の白はレイヤースタイルに適し、重くならず軽やかな流れを作るのに最適。「ロックオイル」はしっとりした質感を出したい時に使用する。
   写真撮影のコツ:
       光と背景: 明るい方から暗い方へ向けて撮ると映える。背景を暗くする工夫をする。
       構図と動き: 頭頂部の余白を均一にし、ポージングを指示して「証明写真」のようにならない動きのある写真を撮る。
       加工: MEITSなどのアプリで肌を修正する。髪色は基本的にいじらない。

6. サロン経営とブランディング
   ブリーチ客を増やす戦略: まずはワンブリーチで完成するベージュ系など、失敗しにくいスタイルで実績を積み、「ブリーチサロン」としてのブランドを確立する。
   ジュニアスタイリストの育成:
       技術は反復練習で上達することを教える。
       アシスタントにも技術説明を積極的に行わせ、価値を伝え単価アップにつなげる。
       情報を知るだけでなく、行動し、その正しさを見極める「思考力」を養うことが重要。
   SNS活用の重要性: SNSで発信しなければ「存在しない」のと同じ。技術力があっても発信しなければ選ばれないため、「上手い人」ではなく「選ばれる人」を目指す。
   マインドセット: 「思考が変われば行動が変わり、行動が習慣になり、習慣が性格を変え、性格が人生を変える」という考え方に基づき、思考力と行動力を変えることが成長の鍵となる。

参加サロン様の感想

  • ブリーチリタッチのオーバーラップが怖くなくなりました。
  • エフェクトブリーチの知識が深まりました。

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