福山

nanuk佐野氏パーマセミナー

2026/7/27(月)

本セミナーは、渋谷・世田谷の人気サロン「nanuk(ナヌーク)」代表の佐野昌仁氏とアリミノ社の樋口氏によるパーマデザインセミナーである。主な目的は、参加者がパーマへの苦手意識を克服し、実践的な考え方やパーマの可能性を学ぶことにある。講義では、nanukが考えるパーマデザインのコンセプト、カットとパーマの連携技術、髪質や履歴に応じた薬剤選定(アリミノ「コスメカールプリズムプラス」等)、顧客への提案方法、そしてSNSで活用できる写真撮影のコツまで、幅広く解説された。デジタルパーマとコールドパーマの使い分けや、ブリーチ毛といった複雑な履歴を持つ髪への対応策など、現代のサロンワークに即した専門的なテクニックも共有され、明日からのパーマ比率向上に繋がる内容となっている。

知識ポイント

nanukが考えるパーマデザインとブランディング

  • コンセプト: アジア人の硬い髪を柔らかく見せ、アイロンでは作れない「くせ毛風」のラフで無造作なデザインを得意とする。作り込みすぎない質感を重視し、韓国系の巻き髪スタイルとは一線を画す。
  • パーマの価値: カットだけでは表現できないデザインを可能にし、流行に左右されにくい。美容師にとって「伸びしろ」がある分野である。
  • デザインの考え方(4象限マトリクス): 縦軸にボリューム、横軸にカールの強さを設定したマトリクスを基に、カウンセリングでお客様の許容範囲を確認し、デザインの方向性を決定する。
  • ブランディング戦略: SNSでパーマスタイルのみを発信し続けることで、パーマに興味を持つ顧客を惹きつける。競合の多い分野を避け、独自のスタイルを貫くことでファンを確立する。

お客様へのアプローチとカウンセリング

  • ネガティブイメージの払拭: お客様が抱く「痛みそう」「再現できなそう」「昔失敗した」という3つの不安に対し、デメリットを上回るメリット(朝のスタイリングが楽になる等)を伝え、再現性の高いスタイルを提案することで払拭する。
  • 提案方法: 「パーマをかけませんか」と直接的に言うのではなく、「少し濡らすだけでこうなったら楽じゃない?」といった、スタイリングが楽になるメリットを伝える。「イメージチェンジ」または「スタイリングの簡易化」の2つの切り口で提案する。
  • リスク管理: 料金と所要時間を明確に伝え、顧客が断りやすい配慮をする。特にハイダメージ毛の場合、リスクを十分に説明し、信頼関係のない新規顧客の場合は施術を断ることも重要。
  • 言葉の使い分け: お客様の要望に合わせて「前髪」と「レイヤー」といった言葉を使い分け、誤解なくデザインを伝える。

カット技術

  • 基本方針: パーマ後の仕上がりを想定して長さを設定する。髪が持ち上がることを計算し、意図せず短くなる失敗を防ぐ。
  • 顔周りのデザイン: 顔周りは少し長さを残してカットし、乾いた時の動きや馴染みを考慮する。もみあげをあえて繋げずに残すことで、ニュアンスを出し、顔のラインをきれいに見せる効果も狙う。
  • レイヤーカット: サイドと後ろのレイヤーは独立して考え、放射状に広がることを意識してカットする。基本的には上から下向きに切ることで、バランス調整がしやすくなる。
  • セニング(毛量調整): 毛先の重さだけを取るように必要な部分のみ調整する。根元のボリュームは残し、パーマを巻いた時に毛先がなくならないよう配慮する。

パーマ技術(薬剤・巻き方)

  • 薬剤選定の基本:失敗で最も多い「かかりすぎ」を防ぐため、最初は一番弱い薬剤から試すのが基本。髪質(細い/硬い)、履歴(ブリーチ、縮毛矯正、ホームカラー等)を慎重に診断し、薬剤を決定する。住んでいる地域の水質や職業も考慮に入れる。
  • アリミノ社製品: 現代の髪質に対応した「コスメカールプリズムプラス」は、pH・アルカリ度が低く、失敗リスクを抑えながらリッジを出せる。パワーが不足する場合は「コスメカール VEX」を併用する。
  • パーマ液の変遷と特徴: チオ・シス→システアミン→プリズムシリーズのような混合タイプへと進化。施術の安定性が増し、薬剤を混ぜる手間が省けている。
  • 巻き方の使い分け:フォワードとリバース: スタイルの印象をコントロールするために使い分ける。
  • スパイラル巻き: 根元からのリッジ感や立体感をしっかり出したい場合に使用する。
  • 巻き方とシルエット: 同じカットでも、毛先巻き、中間巻き、スパイラル巻きやロッドの段数を変えることで、ボリューム位置を調整し、全く異なるシルエットを創出できる。

デジタルパーマとコールドパーマの使い分け

  • コールドパーマ: スパイラルのようなしっかりしたリッジを出すスタイルに適している。
  • デジタルパーマ: 髪が長く(鎖骨下以上)、複雑な履歴を持つ場合に有効。薬剤の塗り分けが可能。髪質によって湿熱(細く柔らかい髪)と乾熱(硬く多い髪)を使い分ける。
  • クリープパーマ: 濡れている時とうねり、乾かすとふわっとした動きという両方の質感を表現でき、持ちも良い。
  • クリームパーマ: 根元のハチ周りなど、ボリュームを抑えたい部分にストレート剤を塗布して使用する。

複雑な履歴・ハイダメージ毛への対応

  • 履歴の診断: ブリーチ、酸性ストレート、髪質改善など、顧客自身も把握していない複雑な履歴を正確に診断することが失敗を避ける鍵となる。
  • 施術可否の判断: ブリーチ毛などは、ロッドでテストカールを行い、髪に体力が残っているかを確認して判断する。濡れた時にチリチリになる場合は施術を避ける。
  • 薬剤選定: ダメージ毛には、弱い薬剤や化粧品登録の薬剤(ホーユー プロマスター、ルベル プライア等)を使用する。デジタルパーマで薬剤を塗り分けるのも有効。
  • 処理剤の活用: 前処理剤(エクラリティ No.1等)や活性ケラチンを含む中間処理剤(シルパ ボンドメモリアリスト等)を使用し、毛髪強度を高め、ダメージを軽減する。

スタイリングと写真撮影

  • スタイリング: ドライヤーだけで柔らかい質感に、濡らしてスタイリング剤をつければカールがしっかり出るなど、アレンジの幅を提案する。メンズ用ジェルを使用することもある。
  • ヘアに合わせたメイク: ナチュラルなヘアスタイルに合わせ、血色感やツヤ感を重視したヌーディーなメイクを施す。オレンジ系のチークやリップ、そばかすを描くことで海外風の抜け感を演出する。
  • 写真撮影のコツ:アングル: 撮影者はモデルの顔より少し下から撮る。引き気味で撮影し、後からトリミングする。
  • ポージング: モデルに少し肩を見せるように斜めに立ってもらい、首を少し傾けてもらうと奥行きが出る。足を前後にずらすと小顔効果がある。
  • 構図: 真正面より少し視点をずらすと、髪の丸みが伝わりやすくなる。

セミナー・イベント情報 紹介商材: パーマ剤「コスメカールプリズムプラス」やヘアケア商材「エクラリティ」について、詳細は各ディーラーに問い合わせる。 オープンチャット: 期間限定で開設され、講師が撮影した写真の共有や質問が可能。

イベント: 2026年11月17日に東京でアリミノ社主催のイベント「ARIMINO ULTRA SYNERGY 2026」が開催予定。佐野氏も審査員として参加する。


課題

  • お客様が持つパーマへの3つのネガティブイメージ(痛み、再現性、過去の失敗)を払拭できるカウンセリングトークを準備する。
  • 髪質や履歴を正確に診断し、デジタルパーマとコールドパーマ、またはプリズムプラス等の薬剤を適切に選定・使用する練習を行う。
  • アイロンを使って特定のパーマスタイルを再現する練習を行い、スタイルの構造理解を深める。
  • 自身のSNSで特定の技術(パーマ等)に特化したスタイル投稿を継続し、ブランディング効果を検証する。
  • 顧客が自宅で再現しやすいように、ドライとウェットで表情が変わるスタイリング方法を提案する練習を行う。
  • 処理剤(シルパ、エクラリティ等)の導入を検討するため、詳細情報をディーラーに問い合わせる。
  • 2026年11月17日開催のイベント「ARIMINO ULTRA SYNERGY 2026」への参加を検討する。

講義で学んだ写真撮影のテクニック(ポージング、アングル)を実践する。

参加サロン様の感想

  • とても勉強になりました。パーマスタイルの考え方とパーマレッスンの前段階の練習ができてよかったです。

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